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VISION

VISION

世 界 を 公 正 に。
私たちは、個人のあり方ではなく、行為とそのリスクに向き合います。
一貫した論理に基づき、適正な判定基準を構築し
市場に参加する人々が不利益を被らない状態をつくる。
それが、ACSiONの考える「公正」です。

ACSiONが「世界を公正に。」を掲げ続ける理由ACSiONが「世界を公正に。」を
掲げ続ける理由

現場から生まれた「公正」という原点。

安田

私たちが掲げるビジョンの原点は、金融犯罪対策の最前線で直面し続けてきた、ある矛盾にあります。
巧妙化する不正を防ごうと防御を強めれば利便性が損なわれ、利便性を優先すれば不正の余地が生まれる。その結果、手続きに不慣れな人や、たまたま普段と違う行動をしただけの人が機械的に不正とみなされ、日常のサービスから切り離されてしまう。

どちらかを選び続ける限り、この問題は解消しません。
だからこそ、「トレードオフにならない状態」をつくる必要があると考えました。

一人ひとりの振る舞いや状況を正しく捉え、合理的な判断に基づいて最適な対応を選択する。その決意が、私たちの「公正(Equity)」です。

誰もが不当に排除されることなく、正当な権利としてサービスや取引を継続できる確かな手続きを、社会の基盤として実装していきたいと考えています。

正解がひとつではない世界で、秩序をどう守り抜くか。

瀧下

安田が述べた「個々の事情に即した適切な判断」と同時に、市場全体の健全性を保つこともまた、私たちの考える「公正」です。

世界はひとつの価値観で成り立っているわけではなく、人はそれぞれ異なる経験や立場から自らの正しさを持っています。故に、ある特定の立場だけを断定的に正しいものとすることはできません。

では、多くの人々が行き交う市場において、どこまでを許容し、どこからを制御するのか。私たちは、そのジャッジを担う企業や組織が、状況に応じた判断を下せる選択肢を提供し続けていきます。

あらゆる知見とテクノロジーをもとに多様なリスクに応じた判定基準を設計することは、不正検知の精度向上にもつながります。誰もが安心して活動できる市場を保つため、能動的な関与を積み重ねていく。それが、ACSiONの体現する「公正」です。

一社の限界を、利他の精神で越えていく。

安田

私たちが向き合っているサイバーセキュリティの真価は、組織の枠を越えた連携によって発揮されます。あらゆる企業がネットワークで密接につながる現代では、攻撃者はその隙間を狙って侵入を広げていきます。

各社で起きている事象は、それだけを見れば情報の断片に過ぎません。しかし、組織や業界の壁を越えて知見をつなぐことで、小さな兆候を攻撃の全体像として捉え直すことができる。個社だけの最適解ではなく、社会全体の安全を見据えて動く。こうした越境と利他の姿勢が、現代の防衛には不可欠です。

私たちは部分最適や企業最適ではなく、社会全体の最適化を促す橋渡し役として、この連携を支えていきたいと考えています。

瀧下

そのための基盤となるのが、知見を社会の共有財産としていく「透明性」です。
他社に起きたインシデントを教訓とし、自社の守りを強固にする。自社が攻撃の端緒を捉えた際は、エコシステム全体が対策を講じられるよう、守秘と安全に配慮した形で知見を還元する。

自社の状況をオープンにすることは勇気が要ることですが、互いに状況を開示し合う誠実さがあって初めて、企業同士が同じ危機感を持ち、互いの不足を補い合うことができます。この信頼に基づいた高度な連携を通じて、私たちは新しい守りの形を築き上げていく決意です。

責任ある「透明性」が、より安全な世界へとつながっていく。

安田

時代の潮流とともに、「市場」のあり方も「公正」の捉え方も常に変化していきます。サイバー攻撃が巧妙化し続ける限り、私たち自身も防衛力の精度をアップデートし続けなければなりません。

企業や組織もまた、固定された守りに留まるのではなく、しなやかに変化し続けるサステナブルな対応が求められています。私たちACSiONは、多様な価値観が行き交う市場を守るため、お客さまの課題に寄り添い、共に進化を続けてまいります。

一組織の限界を突破し、透明性を持って知見を分かち合う。勇気ある一歩を積み重ねた先に、より自由で安全な世界が広がっていると信じています。

撮影:佐藤類

「世界を公正に。」の哲学的背景——
なぜ今、この視座が社会に必要なのか

撮影:佐藤類
朱 喜哲(ちゅ・ひちょる)
大阪大学 ELSIセンター 招へい准教授
博士(文学)。専門はプラグマティズム言語哲学とその思想史。著書に『〈公正(フェアネス)〉を乗りこなす』(太郎次郎社エディタス)など。

ACSiONが掲げる「世界を公正に。」というビジョン。
ここで語られる「公正」とは、全員を等しく扱う「平等(Equality)」ではなく、適正な手続きのもとでそれぞれの状況に応じた合理的な取り扱いの「差」を設計する「Equity」を指します。

哲学者リチャード・ローティは、民主主義の最小限の原理を「他者に対する残酷さを減らすこと」だと説きました。
現代のデジタル社会において、たとえば一瞬の不正アクセスや詐欺によって個人の平穏や企業の信頼、そして社会的な経済活動が唐突に断ち切られてしまうといった理不尽な事態もまた「残酷さ」でありうるでしょう。

ACSiONはこの種の「残酷さ」を最小化するために、悪意ある主体には適切な制御をかけ、正当な利用者には不必要な不便を与えないという緻密な「Equity(しかるべき理由と手続きをもって「扱いに差をつける」こと)」をプロダクトに実装しているといいます。
このように対象者によって「扱いに差をつける」ということは、一歩間違えれば恣意的な排除や不当な差別につながる危うさもあります。

こうした懸念があるからこそ、ACSiONではこの「公正(Equity)」を実装し、そのための適正な手続きを検討する指針として、同じく「公正」と訳されることもある「フェアネス(Fairness)」という観点を重視するのだといいます。これは、政治哲学者ジョン・ロールズが「公正としての正義」として、手続きの妥当性こそが「正義」のポイントであると説いた際の「公正(Fairness)」を意味します。

特定の個人を善悪という主観的な観点から裁くのではなく、客観的な根拠に基づく一貫した判断基準をもとに、正当なプロセスを経て取り扱いに「差」をつける。この「Equity」を「Fairness」の観点からの手続きによって社会に実装する姿勢こそが、ACSiONが提唱する社会技術の真髄であり、不断の運用とアップデートが問われる点でしょう。

「VISION」で標榜された「誰もが不当に排除されない」という安田貴紀氏の覚悟と、「市場の健全性を保つ」という瀧下孝明氏が表明する使命。この両者をともに成り立たせるためには、変化する脅威に即応して更新のサイクルを回し続け、誰もが安心して活動できる場を整え続ける動的なプロセスが求められます。そのために知見を越境させ、透明性を担保し続けるのだというACSiONの姿勢は、これからのデジタル社会における「公正」を実現する上で不可欠なものでしょう。

一企業であるACSiONが「社会全体の最適化」を掲げ、その際の指針に「公正(Equity/Fairness)」を据える。こうした理念を引き受け、事業に直結させようという姿勢こそが、新しい時代の公共インフラを担うプレーヤーの資格なのだと思います。理念に関わる学問である哲学者として、そしてまた一市民として、ACSiONの今後に期待します。